2016.11.30
安土城
「安土城」
四つ切色画用紙に油彩 2016.11
タイトルの通り安土城址からの眺めです。曇天に西ノ湖が見えます。
彼は安土城が大好きらしく、石段を上りながら高揚気味に本当だか定かでない解説を事細かにしてくれました。
ひとつ前の絵から、画用紙を目止めして下地を着色するのではなく、市販の色画用紙を目止めしてそのままの色で描き出す方法を取っており、これも黄緑色の画用紙です。
長いこと、息苦しく扱いづらい感じがして白色の絵具を敬遠しておりました。使わなくて済むように、白地を残したり淡色の地に描き起こしたりしていました。
白色の絵具を混ぜないと、さらっとしてともすれば力の弱い作品になりがちです。
表現の滞るわたしに対し、教授は何度も下地についてアドバイスを下さいました。自分にとって扱いづらい下地をつくることで、抵抗が生まれ、それをどうにかしようともがくことで違った表現をすることができると。
しかし、いざ描き出すとなるといつもびびってしまって、結局扱いやすい淡い色に逃げてしまっていました。戦うことも失敗することも怖かった。
今回こうやって色画用紙のようなべったりした濃色の下地に描き出せるようになったのは、一番には描く枚数が増えたことにより、感じるハードルの高さが下がったからだと思います。
下地が濃く不便さを感じることにより、白を積極的に混ぜることができ、厚みや説得力をもつ絵になってきたことを実感しています。
このひと月、本当に恋人しか描いていません。
おかげで筆の乗りがとてもいいです。つくづく描きたいものしか描けないのだなあと半ば呆れます。絵は自分の分身だなあと花畑の頭で思います。
ひと月前、教授に制作方針を説明するチュートリアルでその旨お伝えしたところ、どんどん描きたいものを描けと嬉しそうに背中を押して下さいましたので、何の心配もなく元気に描き続けているところです。
身の回りに恋人がいる友人がなく恋話もできないので、惚気先がツイートと絵になっています。少なくとも教授陣にご了承いただけてよかったです。