2016.12.16
「二見ヶ浦」
二つ切り画用紙に油彩 2016.12
タイトルの通り三重の二見ヶ浦です。抜けるような快晴に恵まれました。
撮った瞬間描こうと決めたくらい構図が気に入りました。
写真が気に入りすぎると描き進めるハードルが高くなることも多く、いかに絵としての良さをつくり出すかに苦戦することになります。
今回は、アクリル絵の具による黄色い下地を用いたことで、青い絵の具からちらりと覗くそれが補色関係で鮮やかさを際立たせています。
波の透き通った深い青を表現するために重ねた透明色もうまく効きました。
つまり、なんだかんだ絵も気に入る作品に仕上げられたのでした。
2016.12.12
「画中画」
画用紙に油彩、アクリル絵の具 2016.12
制作室のメンバーの院入試に伴うごたつきで荷物が押し寄せ散らかっていますが私の制作スペースです。
描いた彼の絵を壁にどんどん貼っていき、達成感で次へのやる気を出していました。
そこへ彼ご本人の登場。大変喜んでくれました。写真を撮っています。
教授に「執拗に描いてるね」と言われるくらい彼ばかり描いていますが、初めはこのように何枚も描いていいものか大いに迷いました。
自分の絵など描かれてうれしいものだろうかと。気持ち悪いと感じるのではないだろうかと。
私は他人に描いてもらったことがほぼないのでわかりませんが、当の彼からするとただただ嬉しいことのようで安心しました。
喜んでくれるからと言って彼のために描いているわけではありませんが、そうやって絵の存在価値を認めてくれる誰かがいるというのはとても心強いことだと思いました。
2016.12.09
「夕食前」
四つ切色画用紙に油彩 2016.11
夕食が出来上がるのを待っている様子。日中出かけて歩き回ったため家に帰ると疲れてすぐ寝転んでしまいます。
しかししばらくすると起き上がり、調理中の私に背後からちょっかいをかけてきます。
今回は赤い色画用紙に描いてみました。
植物や風景を描くのが好きな私にとって赤はなじみの薄い色であり、赤い画面と対峙したときはものすごく抵抗を感じました。
しかし思い切って描き出してみると意外なほど筆が進み、いつもより重量のあるものができていました。
写実的な表現の中にも、覗く下地の赤みによってあたたかさのようなものが出ました。お気に入りの一枚です。
2016.11.30
「安土城」
四つ切色画用紙に油彩 2016.11
タイトルの通り安土城址からの眺めです。曇天に西ノ湖が見えます。
彼は安土城が大好きらしく、石段を上りながら高揚気味に本当だか定かでない解説を事細かにしてくれました。
ひとつ前の絵から、画用紙を目止めして下地を着色するのではなく、市販の色画用紙を目止めしてそのままの色で描き出す方法を取っており、これも黄緑色の画用紙です。
長いこと、息苦しく扱いづらい感じがして白色の絵具を敬遠しておりました。使わなくて済むように、白地を残したり淡色の地に描き起こしたりしていました。
白色の絵具を混ぜないと、さらっとしてともすれば力の弱い作品になりがちです。
表現の滞るわたしに対し、教授は何度も下地についてアドバイスを下さいました。自分にとって扱いづらい下地をつくることで、抵抗が生まれ、それをどうにかしようともがくことで違った表現をすることができると。
しかし、いざ描き出すとなるといつもびびってしまって、結局扱いやすい淡い色に逃げてしまっていました。戦うことも失敗することも怖かった。
今回こうやって色画用紙のようなべったりした濃色の下地に描き出せるようになったのは、一番には描く枚数が増えたことにより、感じるハードルの高さが下がったからだと思います。
下地が濃く不便さを感じることにより、白を積極的に混ぜることができ、厚みや説得力をもつ絵になってきたことを実感しています。
このひと月、本当に恋人しか描いていません。
おかげで筆の乗りがとてもいいです。つくづく描きたいものしか描けないのだなあと半ば呆れます。絵は自分の分身だなあと花畑の頭で思います。
ひと月前、教授に制作方針を説明するチュートリアルでその旨お伝えしたところ、どんどん描きたいものを描けと嬉しそうに背中を押して下さいましたので、何の心配もなく元気に描き続けているところです。
身の回りに恋人がいる友人がなく恋話もできないので、惚気先がツイートと絵になっています。少なくとも教授陣にご了承いただけてよかったです。
2016.11.25
「手際」
四つ切色画用紙に油彩 2016.11
朝食前の光景です。
といっても朝寝してしまって11時ごろです。ようやくできたフレンチトーストを食べる前。
「食べる前に調理器具を洗っておくのが本当の料理上手」というお母様の教えに基づいてお皿を片付けています。
いつもは料理は私、食器洗いは彼という分担ですが、フレンチトーストは彼も実家でたまにつくることがあるらしく、せっかくなので一緒にのんびり焼きました。
私は個人作業が好きで、料理も手伝われると逆に難しく感じることもありますが、こうやって楽しくするのもいいなあと思ったのでした。