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2016.01.07

「磯」
2015 F80キャンバスに油彩

「よそもの展」が火曜日にスタートしました。
夏に企画し、10月からフリーペーパーで告知してきたよそもの。
長い下準備期間を経ての開催。しかも初の授業外のグループ展。
プライスレスな喜びで会期中を満喫しています。

高橋が色鉛筆で手描きしてくれた親しみやすさ抜群の芳名録も手伝って、
訪れたみなさまがあたたかいひとことをお寄せくださるのも大変うれしいことです。
「フリーペーパーから楽しみにしていた」とのお声もあり、
正直「一瞥をくれて捨てられるだけなのではないか、意味があるのか」という拭えなかった不安が解消され、報われた気持ちになれました。
楽しんで続ければ面白がってくれる方がいるものですね。やっていてよかったです。

上の絵は鹿児島の磯海水浴場です。
対岸に見える青いものは桜島。
春に母校の離任式に行ったら流されてその足で美術部の後輩とその顧問と磯へ。
先生が写真を撮るからそこに並んでと指さしています。生徒は足や棒で文字を書いています。
よそもの展に合わせ、故郷である鹿児島を京都と比較して描きました。
今回鹿児島は描きたい場所がたくさんあり、選り抜くのに苦労しました。
今は遠く離れてしまっていることもあり、また思春期を過ごした場所でもあるので、
わたしのなかでは美化された土地になっていることに気づきました。
なので思い切ってとってもノスタルジックな色遣いで広々と捉えてしまおうとこの構図でいくことにしました。
思い出の地を外から眺めている感覚なので、絵の中に自分の姿があります。
海を描くのは初めてでした。
徒歩五分でフェリー乗り場に行ける環境で育ったので、海は鹿児島を象徴するものになっています。
とっかかりのないのっぺりした面を描くことが苦手で、結局あまりうまくいっていませんが、
曇りの海の湿気や生ぬるい風、空気のにおいのノスタルジーは自分なりにある程度達成できました。

よそもの展は11日までです。
上の絵は入って正面に飾られています。
遠方の方はホームページの写真で展示風景を見ることができます。
すでにお越しくださった方も、まだお越しでない方も、何度でも遊びにいらしてください。