2016.11.25
「手際」
四つ切色画用紙に油彩 2016.11
朝食前の光景です。
といっても朝寝してしまって11時ごろです。ようやくできたフレンチトーストを食べる前。
「食べる前に調理器具を洗っておくのが本当の料理上手」というお母様の教えに基づいてお皿を片付けています。
いつもは料理は私、食器洗いは彼という分担ですが、フレンチトーストは彼も実家でたまにつくることがあるらしく、せっかくなので一緒にのんびり焼きました。
私は個人作業が好きで、料理も手伝われると逆に難しく感じることもありますが、こうやって楽しくするのもいいなあと思ったのでした。
2016.11.19
「ラッキーストライカー」
二つ切画用紙に油彩、アクリル絵の具 2016.11
青トレーナーの彼です。
タバコをモチーフとして好きになり漫画まで描いたのは思えば彼の影響だったのかも知れません。もちろんいくら憧れたって私は吸いませんが。
タイトルはタバコの銘柄「ラッキーストライク」から。彼の父親が愛煙していたお気に入りの銘柄だそうです。
タバコを吸うときの手の表情、伏し目になる視線、空白の時間、それらすべてタバコを吸わないと出会わないものであることを思うと、毎回貴重なひとときであるような感じがします。
不思議なもので、見知らぬおじさんの体からタバコのにおいがするのはほのかでも不快なのに対し、好意的な相手だと副流煙を吸うことすら厭わないようです。
朝、家のベランダでひとり吸いに出ている彼を家の中からまず一枚、そしてベランダに出て隣でもう一枚。
会っている日は同じような構図の写真がフォルダに毎日並んでいきます。穏やかで楽しい一日の始まりです。
2016.10.05
「離宮前」
切りっぱなしキャンバスに油彩 2016.10
以前から何度も京都に遊びに来ていた青トレーナーの男子です。
紆余曲折あって懇ろな仲となりました。
何が良いのか問うてみたとき、世界観が一致しているという彼の答えのひとつに妙に納得しました。
おかげで生きるのが楽しいです。ありがたいことです。
2016.08.10
「素材の試(ためし) 雨水の赤/溝辺」
四つ切画用紙にジェルメディウム、油彩 2016
5月末に実家に帰ったとき、どうしてもばらが観たかったのです。
盛りを過ぎてもう散っていこうかというぎりぎりに観られたばらでした。
ラーメン屋の奥様が趣味でやっている評判のばらの庭園があるということで、
小雨の中両親が車で30分ほど飛ばして連れて行ってくれました。
個人の庭なので広さも種類もクオリティも期待してはいませんでしたが、
質、量とも予想よりはるかに素晴らしいばら園がありました。
特にその日は小雨だったので、葉がしっとりと濡れて緑がいっそう深くつややかに見えて、花の色を冴えさせていました。
どうでもいいですが、入り口に掛けられていた庭の主からのメッセージで、
「花も終わりに近づききたなくなりました。」
と書いてあったのが何だか絶妙におかしくて衝撃でした。
2016.07.28
「素材の試(ためし) 戸外の光/竹林寺」
四つ切画用紙にジェルメディウム、アクリル絵の具、油彩 2016
油画前期教室展が終了しました。
ごっつりとした大作ではなく、手すさびのような小作品を出しましたが、それこそがわたしの大事にする感覚であるとおもっています。
手と肩と頭の力を抜いて、空気と記憶と絵の具と遊びながら、光と透明と呼吸を追い求めているようです。
上の絵はピンクのアクリル絵の具を薄く垂らした上に油絵具で描いたものです。
お遍路さんのひとつのお寺、高知にある竹林寺の石段の半ばから。
梅雨の貴重なすかっと抜けた晴れ空の日、生き生きとした緑から漏れる光がとてもきれいでした。
この後、左の黒い女子が石段から転げ落ちてきれいな脚を擦りむいたのはまた別のお話。